萩焼(はぎやき)は山口県萩市一帯で焼かれる陶器です。古くから「一楽二萩三唐津(いちらく にはぎ さんからつ)」と謳われるほど、茶人好みの器を焼いてきたことで知られる焼き物です。この萩焼の大きな特徴は、焼締まりの少ない柔らかな土味と、高い吸水性にあります。 吸水性が高いため、長年使っているうちに茶や酒が浸透し、茶碗の色彩が変化します。この変化は、茶の湯を嗜む(たしなむ)人たちの間では「茶馴れ(ちゃなれ)」や「萩の七化け(はぎのななばけ)」と呼ばれ愛でられています。 また特徴としては、形や装飾の簡素さがあります。ほとんどの場合、絵付けは行われません。胎土となる土の配合、釉薬のかけ具合、へら目などが、登り窯の作用によって様々な表情を生みだすことを想定した上で、その魅力を活かすように作られています。 |
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萩焼は一般には派手な絵付けをせずに、生地と釉薬と簡単な模様の素朴さを特長とします。 | |
花瓶の場合、自己主張をせずに素朴な花でも花の良さを活かし、器、皿などの食器は、料理そのものを引き立てます。萩焼の柔らかさというのは雰囲気だけでなく実際の手触り・口当たりにも感じられますし、熱伝導率が低いため保温性が高く、 熱いお茶などを入れても器自体まで 熱くなりすぎないといったことも好ましい特徴として挙げられます。 淡く柔らかい土の温かみ、 穏やかな手触り、 使い込むほど変化していく景色、 模様は地味ですが根強いファンが多い焼き物です。 |
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思わずコレクションしたくなるかわいらしいサイズのぐい呑み。 |
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大道土(だいどうつち)、金峯土(みたけつち)を基本に、そこに見島土(みしまつち)や、地元の土を配合して、作陶に使用する粘土を作ります。 成形には、ろくろ、手ひねり、押型、たたらなどの技法があり、それらによって作られた作品に、化粧掛け、象がん、彫刻などの仕上げを施し、素焼します。素焼後、施釉を行います。釉薬には、透明あるいは白釉を用い、施釉後、登窯で焼成します。 窯の中で炎に触れた部分は釉調が変化し、この変化は「窯変」と呼ばれます。 |
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