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京くみひもの始まりは平安時代だと伝えられています。 この時代に和風文化を開花させた王朝文化は優美で繊細な色彩を創出し、美しい組紐の数々を作り出しました。 平安時代には貴族の装飾や調度品に、戦国時代には武具や茶道具などに使われ、時代の変換とともに組紐は多種多様な用途に使われてきました。大変手間と時間がかかる組紐は、皇室、武家、公家など家格や地位のある人々に愛用されていましたが、時代が移るにつれて庶民にも普及し、明治にはってからは帯締めなどの和装小物もつくられるようになりました。 |
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日本の甲冑は、海外では美術工芸品として高く評価され、コレクションの対象となっています。 日本の甲冑は大部分を「くみひも」で覆われており、日本の甲冑の美しさには「くみひも」が大きな役割を果たしているといえます。 大鎧には、縅糸だけでなく、沢山の「くみひも」が用いられ、その総計は胴・兜・袖の一揃いで、300メートルにも及びます。 |
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くみひもは、丸台、角台、綾竹台、高台などの組み台を使い、染織し、撚りをかけた絹糸を使って組み進めてゆきます。 台によってできる組紐は異なります。 |
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丸台 | 角台 | 高台 |
組み方は糸の配色、文様など基本的なものだけで約40種類、模様などバリエーションを含めると3千種を超えます。 京くみひもは、一本一本の糸が綾をなす芸術品であり、同時に実用的なひもでもあります。 このように粋な伝統工芸品は、都として栄えた京都でこそ育ちえたものであるといえるでしょう。 |
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高台に座り、68玉の糸を器用にくんでいく梶さん。 ほんの少しの力加減によって出来栄えが大きく変わってきます。 あらが目立つ無地の部分も目が整っており、まさに熟練の技。 |
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組み紐の強度はNASAの実験にも用いられたほどで、どんなに引っ張ってもちぎれなかったといいます。 また昔、貴族の家には代々収納箱を収める紐の結び方が伝えられていました。 それは、誰かが蓋を開けて毒を盛ろうとしても二度と同じ結び方ができないため、暗殺防止として用いられたそうです。 |
古代人は結び目には神の御心が宿るものと信仰の対象として尊んだと伝えられています。 「結び」はモノを結ぶ機能だけでなく、人、縁、そして、古(いにしえ)や今、未来を結びます。 伝統的な「花結び」として装飾性の優れたデザインは、人形や美術工芸品の飾りなど数多く生活の場面で使われ、華麗さや荘厳さを演出するなくてはならない装飾品です。 |
几帳結び | カゴメ結び | 五枚花 | 菊結び | シャカ結び | ||||
亀結び | 淡路結び | あげまき (入型) |
梅結び | |||||
京都宇治の閑静な住宅街にひっそりと佇む店舗。 近くには平等院鳳凰堂もあり、観光客にも人気です。 典型的な京都、町屋の赴きが残る店内では、組紐の1日体験も実施されています。(要予約) |
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店内には、人気の携帯ストラップをはじめ、髪飾り、カードケース、壁掛け、帯締めなどかわいらしい商品が所狭しと並べられています。 | ||