贊岐のり染 | JCRAFTS.com (日本の伝統工芸品)

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のり染は日本で生れ、どこの国からも技術を習うことなく、日本人の知恵により長い年月をかけ改善され、工夫され、今日に至った世界でも類のない技法です。讃岐のり染めの起源は定かではありませんが、瀬戸内の気候は、染め物に適しているといわれており、江戸時代には高松城の紺屋町に染物屋が軒を連ね、主に藍染めを中心に生活に密着した様々なもの、野良着や着物がつくられていました。また、着る物だけでなくのれん、のぼり、幕、装飾品にも発展し、花を咲かせました。近代にはその他、獅子舞のゆたんや嫁入り時の家具ゆたん、布団などに使われ、今に至っています。

讃岐のり染めは、筒描きと型染めに大別されます。
筒描きは、和紙を柿渋で加工した円錐形の筒袋に餅米でつくられた糊をいれて絞り出すように下絵に沿ってのりを丁寧に置いていきます。手で自由に描かれた曲線は、のびのびとした力強い線が絵柄と相まって独特の雰囲気を醸しだしています。
型染は、同様に和紙を柿渋で固めた型紙を使ってのりを置くことによって、同じ図柄を繰り返し使うことができます。また、筒描きよりも細かい図柄をのり置きすることが可能で上品な染めを量産できることが特徴です。現代の技法プリントとは、一味もふた味も違った、手描きや型置きならではの素晴らしさをお楽しみください。

和紙を柿渋で加工した円錐形の筒袋に餅米でつくられた糊をいれて絞り出すように下絵に沿ってのりを丁寧に置いていきます。（ケーキなどに、クリームを絞り出してデコレーションをするような感じ）手で自由に描かれた曲線は、のびのびとした力強い線が絵柄と相まって独特の雰囲気を醸しだしています。

筒描きと同様に和紙を柿渋で固めた型紙を使ってのりを置くことによって、同じ図柄を繰り返し使うことができます。また、筒描きよりも細かい図柄をのり置きすることが可能で上品な染めを量産することができます。

藍染め後の状態。のりを置いていた部分は染まらずに柄が白くのこります。

餅粉でつくられたのりを使って、防染します。

糊を作るのも、布に置くのも、気候や、特に湿度に左右され、決して簡単ではありません。

全てが手仕事で大変手間がかかる染色法ですが、プリントや機械染めとは違う、手仕事でしか出せない風合いが生まれます。

1 精錬	麻・木綿・絹などの生地を染まりやすくするため、生地に含まれている不純物(油・汚れ・布海苔)を完全に取り除きます。目には見えない作業ですが、染め上がりの善し悪しに影響を及ぼす大切な作業です。
2 のり置き	デザインされた下絵を生地の下に敷き、もち米で作ったのりを筒袋（和紙を柿渋で円錐形に固めたもの）の中に入れ、絞り出すように下絵に沿ってのりを丁寧に置いていきます。
3 乾燥	のりを乾燥させます。
4 地入れ	染料のにじみをうまく防ぐ為に地入れ（布海苔・下のり）を行います。
5 彩色	ここで主たるデザインに何十色も刷毛で色が差されます。
6 のり伏せ	地染めのため、彩色がなされたところ全てに、のりを置きます。
7 地染め	・引き染めたっぷり染料をしみこませた刷毛で引いて（塗って）染め上げていきます。・藍染め藍瓶の中に先ほどのり伏せした物を何十回と浸け藍のエキスを十分にしみこませ、深い色合いを出します。
8 仕上げ	染め上がった布の余分な染料やのりを、水で洗い落とします。
9 乾燥	しわにならないように天日干しをします。
10 仕立て	仕立ててできあがり。

乾燥
のり置き後、乾燥しているところ

彩色
カラフルな絵を生み出すかぎを握る彩色作業。限られた枠に染料を丹念に塗っていきます｡

乾燥　
天候のいい日は乾燥のため所狭しと油単が並びます。

藍染め　
全体を藍ガメにつけて色付けします｡
繰り返し浸けるほど濃くなります

クリックすると作業風景をご覧頂けます。

昭和九年生まれ。江戸時代の文化元年（1804年）創業以来続く染工場の六代目です。現在は七代目を誠人さんが引き継ぎ店を切り盛りしています。油単や神社の幟（のぽリ）など、祭リの〃必需品〃を手がけ続けていますが、現在はハンカチやランチョンマット、壁掛け、のれんなど様々な商品も依頼されます。
書道の腕は師範級。アメリカ・シアトル州のワシントン大学に客員講師として招かれ、正規の授業で書道、染色など日本の伝統工芸の講義をしたことも。
二十歳からこの道に入リ、仕事に打ち込めるようになったのは二十五歳ぐらいから。

「昔の人はすごいですね。昔から伝えられている染め方を一つ一つきちんと守って染めると、全くムラなくきれいに仕上げることができるんですよ。一つでも間違えたら絶対にだめです」とは氏の言葉。

図柄、色彩、仕立て、どれ一つもおろそかにできない工程を、先人から受け継がれてきた知恵と技術によって染め上げられる商品からは、現代のプリントや機械染では絶対にかもし出すことのできない、あたたかい風合いと味わいを感じることができます。
その染色の技法は今に引き継がれ、伝統と新しい創造に根ざした染の素晴らしさをみせてくれます。

火災時に焼け残った江戸時代から
伝わる大変貴重な染見本帳。

JP\ 130,450
サイズ
横162cm x 縦110cm

結婚やお誕生のお祝いに贈られる、旗仕立ての商品です。
別途追加料金にて、名前などを入れて贈ることもできます。

文字入れは、漢字なら4～15文字程度が標準となっています。
詳細については、随時オプションでご対応させていただきますので、まずはご希望の文字をお知らせください。こちら

嫁入りの油単（ゆたん）の柄の壁掛けです。
長寿を願ったり目出度い図柄を染め抜いています。地色は藍染めしています。
「ゆたん」とは、油紙・木綿などでつくられた、高級な嫁入り道具のたんすなどを汚れから守る、おおい布の事です。お琴のおおいや、獅子舞で人が被り舞う胴幕（かや）も「ゆたん」といいます。

獅子舞の油単

	背中には高松藩の「高」の印が染め抜かれています。袢天は江戸時代頃に着用されていた昔の衣類です。現代でもお祭りなどではお馴染みです。 JP\ 300,450