東京都では伝統工芸品として41品目が指定されています。それらは江戸時代に花開き、長い年月を経て育まれてきた技と魂の結晶です。しかし、時代が激しく移り変わる中、苦境に立ち新しい道を模索する工芸も少なくありません。
一方、東京の文化やデザインは世界中から注目され、伝統工芸に興味をもつ日本人デザイナーも年々増えてきています。
「TOKYO CRAFTS & DESIGN」は、現代のライフスタイルに合った商品のアイデアを必要とする伝統工芸の職人と、工芸の魅力を知り自らのアイデアやデザインを生かしたいと考えるデザイナーとが「協働」して、新たな伝統工芸品を創出するものです。職人とデザイナーは、互いに理解を深めながら、チームとして商品開発に取り組んで参りました。それをアートディレクター、学芸員、知的財産アドバイザーなど専門家集団がともに考え伴走しました。そしてここに「未来の伝統」となる美しいミュージアム商品が完成いたしました。伝統工芸品の持つ新しい可能性を感じて頂ければ幸いです。
江戸切子職人
Craftsman
Craftsman
三代 秀石
堀口 徹
堀口 徹
SHUSEKI Ⅲ
TORU HORIGUCHI
TORU HORIGUCHI
インテリア・プロダクトデザイナー
Interior Product
Designer
Interior Product
Designer
小宮山 洋
YOH KOMIYAMA
組紐職人
Craftsman
Craftsman
川勝 新
SHINICHI KAWAKATSU
デザイナー
Designer
Designer
なごみ
4代目廣田硝子
Craftsman
Craftsman
廣田 達朗
TATSUAKI HIROTA
京都市立芸術大学・教授
Kyoto City University of Arts Professor
Kyoto City University of Arts Professor
藤本 英子
HIDEKO FUJIMOTO
銀職人
Craftsman
Craftsman
泉 健一郎
KENICHIRO IZUMI
デザイナー
Designer
Designer
竹中 逸人
HAYATO TAKENAKA
幾度 慶美
YOSHIMI IKUDO
株式会社ハーズ実験デザイン研究所 代表取締役 / METAPHYS 代表
京都造形芸術大学 プロダクトデザイン学科教授 / インスティチュート所長
江戸文化から現代へと継承されている東京都の伝統工芸。その技を闇雲に守るのではなく、現代文化に沿った進化を遂げるようデザイナーの視点で導くというスキームに期待が込められています。ここに、工芸職人とデザイナーの交流による今までにない化学反応が始まると考えているのです。「TOKYO CRAFTS & DESIGN」は、まず、東京の指定伝統工芸品目に携わる伝統工芸職人を中心に公募を行いました。この職人の技をWEB上で公開することによって、デザイナーはその技を使ったデザインを創造することが可能になりました。
さらにマッチングを希望する工芸職人の現場を見学するなど、体感交流をすることによって制作可能な作品をお互いに認知する期間を設けました。 そして、デザインプランに沿った試作を工芸職人と作り出し、商品化のプロセスを経て選定されたシリーズが、「東京都美術館オリジナル商品」として2012年10月より展示、販売されることとなりました。この新規事業で、伝統工芸職人の技とデザイナーの視点が、東京に新たなムーブメントを創ることを期待して止みません。